シンプルなテクノロジーが世の中を変える

派遣中

DIY

画像の一番左は、今試作段階のCorn sheller、トウモロコシ(orアフリカの主食メイズ)の実をむくための道具を開発中です。マラウイにおいては今頃~7月あたりにかけて、メイズを収穫&脱穀します。

 

下の画像は最近のご近所さんの玄関前。

半端ない量です(笑)こちらの方は特段村奥に住んでいるわけではありません。村奥に住んでいる方だともっと量が多いです。これをマラウイの多くの人は、ひとつひとつ手でむきます。結構な重労働です。そして、一日の時間の多くをこれに費やす日々が続きます。

 

下のような手動の道具も一応ありますが、任地では中心部の人にとっても高く、全然普及していません。※右側はまだ割安ですが、認知は低いです。

目指すところ↓

DIY Corn Sheller

ということで、トップ画像一番左のような道具を絶賛開発中です。何人かに試してもらっていますが、反応は上々。なんといっても1個あたり原材料約40MKW(約6円)前後でできる&作り方も簡単ということで、これなら村の人でも手を出せる。クオリティもう少し上げたら村で原料費だけ出してもらって、自分たちでも作れるようにワークショップ開いて回ろうと同僚と進めています。

 

ちなみに肝心の金属ですが、今使っているのはこちら↓

マラウイの多くの家はトタン屋根(村奥は藁でできた家が多いです&自宅です(笑))であり、そのための金属が任地でも手に入ります。今使っているのは縦×横×厚さ:180×75×0.03 cm:3700MKW(約550円)のものです。サイズも色々試していますが、30×5の長方形からだと90個、金属だけだと1個あたり約41MKW(約6円)!

 

自分はなんと出身の兵庫県・青年海外協力隊の壮行会で頂いたハサミを使っています、感謝!なんですが、任地でも金属を切るためのハサミ的なものは売っています。あとペンチ。そして、任地で見つけた時はテンションが上がった、一番右の釘(らしいです。ひとつ100MKW(約15円))※トップと同じ画像です。

金属を挟んだ2つの釘を、ペンチで挟んで固定しながら、”歯”にあたる部分を折ってつくります。詳細は→(日本語版 英語版

 

現段階でも十分役に立つレベルなのですが、慣れていないと手を切る可能性が高かったりと、まだまだ改善の余地がある状況です。

ということで、カバーを考えたりと諸々試し中です。↑みんな任地で手に入りました!いい感じに出来たら、村の人には原料費だしてもらって一緒に作って、希望者には協力して町中で収入増となるように、売る流れで進めています。

 

アイデアはどこから?

なんかこれだけだと、全部ゼロから作った感満載ですが、まったくそんなことありません。そもそものきっかけは、WOMEN EMPOWERMENT 100――世界の女性をエンパワーする100の方法という本に、脱穀機2ドル位でできるよ!と紹介されていたからです。(kindleで日本語・英語どちらも買えます。)読んだのは半年以上前で、2ドルって1500MKWぐらいかーとか考えながら、その時は特段作ろうと思いませんでした。しかし、メイズの収穫期を迎え、村を巡るうちにこの可能性に惹かれました。

 

ただ、本には作り方はのっておらず、MIT-labにデータあるよということで以下のものを参照。D-lab : Corn Sheller※様々なテクノロジーをラストマイルへ普及することに取り組んでいる、日本人が立ち上げたコペルニクでもプロジェクトとして実施されたことあるようです。コペルニク

 

ただ、jigたる便利な道具が必要。任地にあるかー!とか、溶接の人に作ってもらおうかなとか考えていたところ、前述の釘発見。なんかいじったらできそうだということで、今に至ります。

 

なんかこうしたらもっとこう良くなるよ的なアイデアであったり、詳しく教えてって方はここであったり、知ってる人は個人的にメッセージくれると嬉しいです!

 

人間っていいな

加工といえば大げさですが、金属いじくりまわす日々の中、1人の無力さであったり、文明の発展に関して色々考えます。生物を専攻し、生き物に優劣なんかあってたまるかと思う派ですが、このものづくりを通して、大げさですが「人間スゲー!」とひしひしと感じています。

 

人間と生物の大きな違いとして、他の種は「異種」の「交換」をしません。今のところ人類だけが、虚構の共通価値(形になっているものがお金)を信じて交換できます。更に、物理的なDNAだけでなく「アイデア」を交換・生殖させることで、自然淘汰の原理を時間の制約から解放したとのこと。関心ある方は以下の動画や、この方々の著書超おススメです!

Yuval Noah Harari: What explains the rise of humans?
TEDGlobalLondon • 17:08 • Posted July 2015(日本語訳もあります)

Matt Ridley: When ideas have sex
TEDGlobal 2010 • 16:26 • Posted July 2010(日本語訳もあります)

後者の動画で述べられていますが、遮断された4000人規模の文明だと、前述したような仕組みが成り立たず、文明は進歩するどころから後退するとのこと。アトム・ビット問わず、流動性をあげるにはどうしたらいいか、現地の人が自分がいなくても今回のようなものを思いつくにはどうしたらいいか。この協力隊の間、「現場」での難しさや、望むべき姿を考え、試し続ける日々にしたいと改めて感じています。

 

To organize the world’s information and make it universally accessible and useful.

 

Googleのmission大好きです!頑張ります!

 

※DIY好きの方はこちら(Instructables)も是非。今回の取り組みがうまくいけば、こちらに掲載できればと考えてもます。

 

前回投稿したブリケットも試行錯誤中です。

※Corn Shellerの続きはこちら(需要>>>供給)

 

マラウイ生活一覧

コメント