大学院生活でなかなか本を読む時間が取れていませんが、久しぶりに「おぉーー!!!」となる感じで読める本と出合ったので、それを絡めて考えていること色々書きます。
「豊かさ」の誕生
こちらの本です。
1820年頃までは、全人類平均の一人当たり経済成長率はほとんどゼロであったにも関わらず、急激な発展を遂げた。その要素として
・私有財産権の確立
→いつ財産を権力者に奪われるかわからない状況では、財産を増やすインセンティブがない。
・科学的合理主義
→昔は宗教の力が圧倒的。事実・原理が蓄積しない。
・資本主義
→初期投資など、何事にもお金がかかる状況で必須。多様な人から出資を募れる。
・輸送、通信手段の発達
→モノだけでなく、知識の共有など、交流のために必須。
この4つの要素が一つでも欠けていると、大きな経済発展は難しいと述べています。うん、納得。
また、 経済成長が民主主義をもたらすのであって、民主主義が経済成長をもたらすのではないということ、そして民主主義の「行き過ぎ」は経済成長に有害であること
これもすごい納得。青年海外協力隊のときに色々アフリカのことを知りましたが、経済がある程度発展していない状況での、きれいすぎる政治は思い切ったことができないため、弊害な気がします。(ジレンマ)
イノベーション
大学院の授業で、発展にはイノベーションが不可欠!といったことを学ぶ中で前述した本に出合いました。
イノベーションの定義は色々ありますが、個人的にはシュンペーターが提唱する「新結合」が一番しっくりきます。ざっくりいうと、何かと何かをくっつけて新しいものを生むこと。
人類が他種と大きな差異をうんだのは、「アイデアを交配させる」ことで、「新結合」を無尽蔵にできた点だと思います。
つまり、人類以外は物理的な交配という手段でしか多様性を増やすことができまぜんが、アイデアはいくらでも交配させることができる。
この「アイデアを交配」という考えはこの本に基づいています。アイデアの交換だけでなく、「異なるものを交換する」ことも人類以外はしません。
じゃあなんで人類だけが異なるものを交配させたり、交換できるのかと言われると、アイデアの交換は言葉・文字のおかげであり、交換は虚構の価値基準を見出せたからだと思います。はい、「サピエンス全史」の考えにめっちゃ影響受けています。
未来
このイノベーションによってもたらされる「豊かさ」によって、未来はどうなるのか。
そもそも「豊かさ」って漠然としていますが、個人的には「豊かさとは、単に取得・消費する財貨の消費ではなく、生存するための行為から独立した、楽しむためという動機で活動するための「自由度の大きさ」と考えてよいであろう。」がしっくり。これは↓の本からの引用です。
こちらの本では、昨今の発展により、マイナス的なこと(飢餓をなくそう)といったことはほとんど解決され、ギリシャ時代の三大美徳とされた、真・善・美により人類はより注力するだろうと述べています。
ここでいう「真」は「学問(科学など)」、「善」は「他者への貢献」、「美」→「芸術」です。個人的にはスポーツやゲームといった「娯楽」も含まれそうな予感。
ちょこちょこ載せていますが、個人的にはこういった発展に伴い、「私たち」の概念が広がっていることがすごく好きです。つまり、「私たち」の概念が「村レベル」→「国レベル」→「世界全体」と広がっている流れ。
Every generation expands the circle of people we consider “one of us.” For us, it now encompasses the entire world.
どの世代も「私たち」の輪を広げてきました。今、私たちの世代は、世界全体を覆っています。( ※ザッカーバーグのハーバード卒業スピーチより )
いつもながらまとまりのない文章になりましたが、なにかの参考になれば幸いです。
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