青年海外協力隊インタビュー! タンザニア隊員#2

派遣中

世界各国に散らばる青年海外協力隊へのインタビュー企画。今回はタンザニアにおいて、お宝植物の発掘などユニークな取り組みをされている、Oさんに色々お聞きしました!

2017-2次隊・タンザニア・コミュニティ開発・Oさん

まず初めに、協力隊に参加したきっかけを教えて下さい。

アフリカという比較的過酷とされる環境において、自分でもやっていけるということを示し、他の人にも頑張って欲しいという思いがありました。

と言うのも、勤めていた会社において、新卒で入ってもやりたいことがなかなかできず、やめてしまう人が多かった。自分の行動を見て、色んな選択肢を増やしてあげたかったんです。もちろん、自分としても新たな選択をしたかった面もありますが。

なので、結局通らなかったのですが、ホントは現職参加を希望していたんです。制度がまだなくて、そのパイオニアになるつもりでした。結果としては駄目だったけれど、社長にまで話が上がり、JICAの人に説明に来てもらったりと、今後の似たような状況への、足掛かりはできたと思います。

任地での水回りで、大変なことが起きたそうですね?

夜気づいたら、壁が剥がれて水がマーライオンみたいにすごい勢いで飛び出していました(笑)そもそも最初の2カ月は、井戸から、任地の人と同じように水を運んでいました。

ただ、近場で水が湧き出たので、職人さんと一緒に水道を整備したんです。そしたら、ある日帰ってくると床が少し濡れていて、あまり気にしなかったのですが、明け方4時に目が覚めると家がかなり浸水していました。早朝すぎることもあって、6時くらいまでは一人で格闘していました(笑)

植物での活動に関して教えて下さい。

そもそもとして、県庁におけるコミュニティ開発局、そのなかの群事務所に配属されています。そこでの目的は地域住民の収入向上と、食を豊かにすることです。その中で、自生植物に注目した活動を進めています。

もともと、ちゃんとしたマーケットではなく、おばあちゃんが路上で売っているものの中には珍しい果実があり、興味を持ったことがきっかけです。そこから任地で育っている植物に注目するようになりました。

色んなご縁から、タンザニアで植物を調査している人まで繋いで頂き、一緒に活動を進めています。現在70種近くの植物を標本として採種し、そのなかでも栄養豊富と思われる2種に関しては、重要な栄養素3つがそれぞれどれくらい含まれているか検査してもらう予定です。JICAの業務費の申請が最近通り、これを利用しての実施です。

現地の人は、自国の状況をネガティブに言う人が多い気がしているのですが、ここには素晴らしいものがあるということに、気づいてもらえたらと思い取り組んでいます。

法人と連携した、契約栽培にも取り組まていると聞きました。

首都でおいしい芋けんぴを見つけたことが始まりです(笑)タンザニア産であり、連絡をとってみると、苗を無料で提供頂き、私の任地で試験栽培してくれることになりました。うまく育てば栽培を担う農家さんの収入になります。

ただ、1年目は植える時期が少し遅かったためか、うまくいきませんでした。2度目に挑戦中で、今のところ順調です。

自分の話からで恐縮ですが、自分が始めた脱穀機(※)をそちらで導入してくれている活動に関して教えて下さい。

こちらの記事などで紹介している脱穀機のこと。

タンザニアでも農家がたくさんメイズ(白いトウモロコシ)を育てていて、マラウイと似た状況でした。そんな中、この脱穀機を教えてもらったことと、近所に技術学校があったことから、そこでのクラブ活動を立ち上げ、この開発に取り組んでもらっています。

校長先生に企画を持ち掛け、クラブ活動にしようということになり、担当する先生もついてくれました。私としては、この脱穀機の普及以上に、技術学校の生徒が、開発から費用や時間を考えたうえでどう価格をつけるかといった、一連の流れを経験して欲しい思いがあります。

もうすぐ商業祭があり、そこでの販売に向けて進行中です。

かばんに関する活動もされていると聞きました。

任地の多くのおばあちゃんは、自生植物から手工芸ができるんです。近所のおばあちゃんのかごが素敵だったことから、収入源としての活動として取り組んでいます。

今では別のお店を利用して革の加工を施し、商品としてより良いものが出来てきました。近々首都のとあるお店にも置いてもらう予定です。

協力隊前と今で変わった価値観はありますか?

日本での協力隊の研修において、先入観などを持たずに現地に入り込むことが大切と習い、できるだけ白紙の状態で取り組んできました。

もちろん、私が比較的恵まれた環境という面もありますが、活動を通じて色んな事ができるとわかりました。こういった経験を通じて、タンザニアの人にも自分たちを卑下することなく、ここで自分の夢や目標を叶えることが可能だということを、伝えられたらと思っています。

今後はどうするつもりですか?

実は、まずは試験栽培の時期的な兼ね合いもあり、任期の延長が決まっています。かつ、終了後は日本で働くことも考えていますが、またここに戻ってくることも、可能性として考えています。2年以上も関わるご縁なので、将来的にも何かしら、ずっと携われたらと考えています。

ありがとうございました!

同期、かつ同じ職種と言うことで、活動をよく参考させてもらうなか、面白い取り組みをたくさんしているなと感じており、今回お声がけさせて頂きました。残りの期間でそれぞれどんな進展があるのか、これからも楽しみにしています!

インタビュー一覧

マラウイ生活一覧

コメント