隊員インタビュー「SK」

派遣前訓練

訓練生インタビュー!のはずが、昨日をもって訓練を修了しました!ということで、隊員インタビューとして、Sさんの内容記載します。同じコミュニティ開発の職種であり、海外の大学を出ていたり、石油の会社を通じて世界情勢をビジネス視点で見ていたと聞いており、色々聞きたいと思っていました。以下インタビュー内容です。

 

スーダン派遣・コミュニティ開発・Sさん

協力隊に応募したきっかけは?

非営利の分野で、途上国に素早く行けるってことで選択した。将来的に国連やNGOで働くことを考えた上での選択だった。

 

学生時代はどんな人(専攻、海外経験、国際協力への関心)

小5の夏休み~中3の12月までは家族の関係でアメリカに住んでいた。高校はずっと日本で過ごして、大学はアメリカの学校を選んで歴史を専攻してた。

 

海外の大学を選んだのは自分の意志。高校の同級生300人ぐらいいたけど、海外に出たのは自分だけだった。国際関係に興味があったから、いろんな人がいるキャンパスが良かったし、アメリカに戻りたかった部分もあるかな。行って正解だと思った、満喫していました。

 

国際関係にはもともと興味があり、国連職員になりたかった。アメリカのニューヨークに住んでいた時、国連の本部を見る機会があり、安保理とかがここで行われているんだ!と思ったりしたことも、影響していると思う。

 

また、緒方貞子さんがUNHCR(国連難民高等弁務官)を務めていたことを知り、日本人でも活躍できるんだと考えていた。

 

ただ、大学を卒業してからの1年ほどは、日本でバイトとかしながらブラブラしてた(笑)アメリカでの勉強に疲れちゃった部分と、自分の国のこともっと知りたくて、帰国する選択をした。

 

協力隊に応募する前は何をしていた?(仕事はやめた?)

石油関連の仕事を赤坂でしていた。だから、中東のニュースなんかはいつも見る他、カザフスタンとかとやりとりしていた。

 

石油の事業って、基本は国家の基幹的産業であり、天然資源の分け前を企業がもらっている構造が基本。カザフスタンやイランは技術力があって、国の力がそこそこ強い。だけど、アフリカの産油国は、欧米のメジャーな会社がやりたいようにしている部分がある。

 

また、石油のプロジェクトって、数千億円の規模のお金が動くけど、企業が主体になっちゃうってしまう。さっき言ったみたいなアフリカの場合だと、結局ヨーロッパにお金が落ちちゃう。アフリカにももちろん入るけど、政府に入ったあと、きちんと社会に還元されているのか、怪しかった。そういった状況になんとなく疑問を感じていた。ただ、石油は地政学とも大きく関わっており、そういった意味で、世界の力関係を学ぶ上でとても良かった。会社はもう退職済みだけど。

 

社会人の時に、いきなりfacebookで知らないシリアの方から友達申請が来たことも、会社をやめて協力隊を決めたことに影響を与えているかも。その人は反政府軍が拠点のところに住んでいて、空爆で家が壊れ、がれきの中に住んでいた。赤ちゃんがいてクル病になりかけて、助けて欲しくて色んな人に申請している様子。衝撃的だった。

 

帰国後はどうするつもり?将来はどんなことをしたい?

まずは大学院。イギリスかアメリカで国際法・紛争解決に関心がある。

 

その先は国連を考えているかな。だけど、現場を持っているNGOもいいかなと思っている。日本にはこだわりがなくて、中東で働きたい。石油を通じて感じたけど、面白い地域。

 

パレスチナの問題にも関心があって、根本的な解決への道のりは遠いと思っている。だけど、今直面している問題、必要最低限のニーズを満たせるようなことに取り組みたい。

 

「いつか~の力になる」にした理由は?

<Sさん記入>『いつか30代で「難民を助けられる」力になる』

 

今の僕の行動原理。30,40代は現場にいたい。中東での活動、PKOにも関心がある。お医者さんじゃないけど、問題があるといつでも駆け付けたい。

 

信念は持っていると思う。熱くなりすぎると、自分の中でコントロールできずに、盲目になりそうで怖い。サバサバしているように見られるけど、冷静じゃないと正しい判断ができないと思っている。

 

幸せだと感じるのはどんな時?

訓練所だと、おいしい桃を食べた時(笑)あと、朝のランニングが気持ち良く感じられたり、お風呂でハーっとしている時とか。

 

影響を受けた「人物」「本」「映画」があれば教えてください

「鶴見俊輔」さん。哲学者であり、ベトナム戦争時の平和運動を率先した人。ハーバードを出ているんだけど、アメリカが日本に原爆を落として以降、アメリカには行かないと決めたりと、自分の哲学に基づいて行動している。丁度去年亡くなられた。

 

あと、サッカー選手の内田篤人の考え方は好き、非常に尊敬している。

 

本だと、「司馬遼太郎」。特に「坂の上の雲」。これを書くためにロシア語の日記を読む必要があり、ロシア語の勉強をしていたらしい。さすがだなと思う。彼の作品、基本的には23歳の自分に向けて書いている。中心にある問いは、日本はなぜあんな馬鹿な戦争をしたのかということ、様々な視点が得られて面白い。

 

これからの意気込みをお願いします!

マラソンいつか2時間台で走りたいです(笑)

 

今後に関して、どうにかなるだろうと考えている。核となるものを見つけるのが協力隊の活動になると思う。ボーダーに関わらず、いろんな人と接したい。

 

自分の派遣先はスーダン。中東もアフリカも見れる。かつ、今イスラム教の人がどんどん増えていて、そういった文化を知れることは幸運。かつ、国内のNGOと政府の中間に位置する、国際的な機関に配属され、人道支援をどのようにしているか、学びたい。

 

65歳ぐらいになったら、どこかの島で図書館を開きたいなーとかも考えている(笑)

 

<インタビューを終えて>

基本、インタビューは口頭で話してもらったものを自分が文字化して、一回確認してもらってから公開しているけれど、今回確認後「なんか自分じゃないみたい(笑)まあこれはこれでありだね。」とのこと。時間の兼ね合いで、かなり駆け足のインタビューになり、Sさんの魅力や伝えたいことの半分も伝えられていない気がする。

 

Sさんへ、駆け足になっちゃて申し訳ない。そして、訓練生活お疲れ!訓練終了後、コミュニティ開発で集まり、一緒に飲めて良かった!お互い刺激しあえるように頑張ろー!インタビューもありがとー!

 

なんだかんだ予定していた16名+4名のインタビューが無事終了!色々聞いていて楽しかった。かつ、青年海外協力隊関連の人にとっては当たり前かも知れないけど、いわゆる「社会貢献」的なことで生計をたてていこうって人はまだまだ少数派。色々な方の経緯や、今後のビジョンを聞くことができ、様々な方の参考になればと思います!

 

昨日ぐらいからの思い付きだけど、今回のインタビューをこれで終わらせるのはもったいない気もするので、3カ月後とか半年後に後追いインタビューしようかなとか考えています。ただ、一旦は連日投稿となっていたインタビューは終了です。ご協力いただいた方々、訓練生活の忙しい中、時間を割いて下さり、本当にありがとうございました!

 

インタビュー一覧

 

※昨日の9/13、ついに連日投稿が終了。6月から6,7,8月の毎日投稿を目標に取り組み、結果として104日連続投稿というかたちになりました。今後の投稿頻度は任地のネット環境に依存。

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