派遣前訓練65,66日目 訓練生インタビュー「社会的企業とは」

派遣前訓練

65,66日目のざっくりとした流れ

 

65日目

最終試験

帰国後の進路と社会還元

 

66日目

<午前>

語学

<午後>

語学

帰国後の社会還元

 

ヨルダン派遣予定・マーケティング・Oさん

今回インタビューをお願いしたのは、「社会的企業とは?ブランディングとは?」といった内容を自主講座で実施されたOさん!個人的に超関心の高い分野であり、色々話を聞けたらと思いインタビューをお願いしました。以下インタビュー内容です。

 

協力隊に応募したきっかけは?

そもそも、国際協力に関心を持ったのは、高校生の頃にトルコへ留学をしたことがきっかけです。そこで、人種による差別を目の当たりにしました、私自身もアジア人ということで、街中で石を投げつけられた経験もあり、こういったことを通じて、人種を越えた共生の大切さを考えるようになりました。

 

応募のきっかけとしては、利益を過剰に追い求める会社の雰囲気に違和感を感じた事、また、自分の9年間のビジネスの経験を少しでも活かせるタイミングが来たと感じたこともあり、もともと前述の理由から関心があった国際協力の道に進みたいと思い、応募しました。

 

学生時代はどんな人(専攻、海外経験、国際協力への関心)

前述のトルコ留学まではずっと日本にいました。大学選びにおいて、何を勉強したいかわからず、その前に世界を見たい思いや、1人で何ができるか知りたいと思って留学しました。もともと歴史、特にイスラム圏に興味があり、アジアとヨーロッパを跨ぐ国トルコを留学先に選びました。

 

大学では比較文化学を専攻していました。ドイツにおける移民政策をテーマに、ドイツでフィールドワークを行いトルコ系ドイツ人移民の抱える問題やドイツ政府の取り組みなどを研究していました。

 

協力隊に応募する前は何をしていた?(仕事はやめた?)

就職先を考える上で、国際協力にはずっと関心がありましたが、一度社会人で経験を積みたい思いがありました。なので、モノとモノで世界をつなぐことに興味があり、新興国にビジネス展開している自動車メーカーに入りました。アメリカに3年駐在するなど、仕事はやりがいもあり、ビジネスって面白いなって感じながら働いていました。

 

配属のタイミングで日本に戻り、他社での自分の実力を試したい事もあり、別の会社に転職しました。チャレンジングで面白みもありましたが、利益を最優先する風土や、昇進のために他者を蹴落とす雰囲気があまり好きになれませんでした。こういった背景より、自分の原点に戻ってキャリアを再考した結果、国際協力への気持ちを再確認し、9年間民間企業で積んだ経験と共に国際協力の世界に飛び込もうと考え、協力隊に応募しました。仕事は退職しています。

 

「社会的企業」に関する自主講座をしようと思ったのはなぜ?

ヨルダンに派遣予定であり、地元の伝統工芸品のブランディング向上が要請内容です。自分のなかで「ブランディング」や「社会的企業」を整理したい意図があり実施しました。

 

そもそも社会的企業とは?

収益を稼ぎながらも、会社の利益を一番の目的とせず、社会的な課題の解決に取り組む企業のことです。

 

自分が会社に勤めていて感じたことですが、特に大きい企業は資金もあって人材も豊富です。ネットーワークも広くて、各国にも支店があったりする。一方で、支社がたくさんあるNPOはまだまだ少ない。大きな企業が社会的に取り組むと、そのインパクトは非常に大きいと思います。

 

自主講座でも紹介しましたが、日本だと「MOTHERHOUSE」や「気仙沼ニッティング」などが、社会的企業として有名です。

 

※MOTHERHOUSE:途上国においてバッグを中心としたアパレル製品を生産 HP

※気仙沼ニッティング:東北地方において、高品質のセーターを営む会社 HP

 

マザーハウスは設立当初の、10年ぐらい前から知っています。物を買うことが、社会に貢献していると感じられるスタイルがいいなと思います。社員の方々は、大手をやめて志高く取り組まれている。以前マザーハウスの社員の方と話をした事があるのですが、スキルと熱意をもった人がいて魅力を感じています。

 

(資本主義への嫌悪感などはありますか?)

資本主義における、どんどん競争して、改善していくことは良いことだと思います。なので、嫌悪感を特段感じたりはしません。ただ、矛盾するようですが、個人が利益至上主義になるのは、好きになれないです。

 

現地での要請内容は?あと、現地でどんなことをしたい?

サルトという町で現地発のNGOに勤務する予定です。現地の伝統工芸品をどうやって販売するか、またそういったことを通じてサルトの知名度をどうあげるかに取り組む予定です。難民の問題に関心があるので、ボランティアなどでそういった活動にも関わりたいですね。

 

死海や遺跡、壮大な自然があって、色々巡って楽しみたいとも思います!

 

帰国後はどうするつもり?将来はどんなことをしたい?

帰国後すぐに関しては、「大学院で修士号をとる」か「コンサルティング会社」で迷っています。

 

修士号に関しては、今後も国際協力の分野で取り組む予定であり、修士が必要になるケースが多いと考えているからです。イギリスか、英語の比重が多い日本の大学があればそこで開発学がMBAを考えています。最近、開発系よりも、MBAの方がいいかなと思い始めています。最終的には仕組みづくりや、ビジネスの視点から関わりたいと考えているからです。

 

コンサルティング会社に進む場合、公共事業を対象にしているところを選びたいです。課題解決自体が好きであるといった理由もあります。

 

大きな方向性としては、国際機関で働きたいです。難民の支援や女性の自立に関心があります。体がしっかり動く間は、どんどん現場に出たいと考えています。

 

「いつか~の力になる」にした理由は?

<Oさん記入>『いつか「人種・宗教・言語を越えて皆が手をとり合う世界をつくる」力になる』

 

前述した、トルコの経験からずっと考えていることを、言葉にしました。誰とも共生できる世界を実現したいです。

 

幸せだと感じるのはどんな時?

海を見ながらぼーっとして、お酒を飲んでいる時ですかね(笑)

 

これからの意気込みをお願いします!

協力隊の参加を通じて、責任を感じています。というのも、自分のなかでキャリアを一旦放り出した感じもしており、今までの取り組みを無駄にしないように、この2年が次へのステップへ繋がるよう、本気で活動したいと思っています!

 

<インタビューを終えて>

改めて「社会的企業」「資本主義」等考える。こういったことを考える時、いつも参考にしているブログより諸々抜粋↓

 

ビジネスは本当に貧しい人には届きません。政府に頑張ってもらわないとダメなんです。

 

ドラッカーの言葉を借りれば利益は手段。将来に亘って幸せの提供という会社の使命を果たす為に、最低限倒産しちゃいけない、その為の手段。「手段」であるはずの利益を「目的」とした投資家が参入すると本来の事業目的と別のベクトルが働く。

 

「必要としている人のところにモノを配分」するというはちょっと語弊がある。マーケットが本当に「必要としている人のところにモノを適切に届けてくれる」のなら、最もエネルギーを必要としている貧しい国々にどうして届いてないのか。答えは簡単で、彼らは買うお金がないからだ。マーケットは必要としている人にモノを配分するのではない。必要としていて且つ「買う力が有る」ひとのところに配分するだけだ。「ニーズ」と「需要」は違う。どれだけ途上国にneeds とwantsがあろうとも、オイルの世界市場に参加出来るだけの購買力が無い国が多いのだ。彼らの「ニーズ」はずっと「需要」にカウントしてもらえない。

 

あなた達の世代の課題は資本主義を再定義することです。最も抽象性の高いレベルでは資本主義でもない社会主義でもないNext ismを思い描いて下さい。同時に、もっとも抽象性の低いレベルで、マイクロボランティアリングを実践して下さい。一人一人の小さな行動が調和して新しい経済システムを作っていくのです。

 

何か記載したいような気もするけど考えが整理できない・・。ただ、今回のインタビュー通じ、自分の関心など諸々振り返るきっかけにもなりました。Oさんありがとうございました!

 

インタビュー一覧

 

最終試験

65日目は最終試験。以前も記載しましたが、この結果が悪いと派遣延期や中止となる場合があります。一年に数名は該当者が出るとのこと。

 

ただ、今回の2017年2次隊に関しては全員合格でした!!みなさんお疲れ様!!

 

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