派遣前訓練12日目 「私たち」

派遣前訓練

本日のざっくりした流れ

 

<午前>

語学

<午後>

自習

国際関係と日本の国際協力

 

日本国民と世界市民

本日の午後の講座は「国際関係と日本の国際協力」。以下詳しく書くけれど、なんとなく時代の差を感じる講座となりました。

 

なぜ日本は国際協力をするべきなのか、4つの理由

1)日本ほど国際社会から恩恵を受けた国はない

2)国を守り平和を築く国の安全保障のために

3)弱者を助ける無条件の意志

(ノーブレス・オブリージュの精神 ※高貴な人、幸せな人の当然の義務)

4)世界の歴史を振り返り、学ぶべき例、反面教師を見極める

 

あまり腑に落ちなかった。これらの通りなのかもしれないけれど、だから国際協力をするのか?単純に今の世界において、たまたまお金や物資が豊富だから、それを共有する。もしくは、どちらかが貧しいとかではなく、仲間だから当然のように手をつないでいるような感覚が、国際協力のあるべき姿の中心であってほしい。講座を通して終始上と下があるような世界観を感じた。

 

JICAの組織だから、「日本」を意識するべきというのはわかる。けれども、それを過剰に意識しすぎると、何か「日本」と「それ以外の国」や、「日本を含めた先進国」と「それ以外の国」の構図になりかねない。

 

講師は外務省で働かれた経験もあり、自分なんかよりよっぽど「日本国民」であることを意識しなければならない経験をされてきたのだと思う。ただ、以前のザッカーバーグのハーバード卒業スピーチにあったように、いわゆるミレニアル世代は、「世界市民」というか、「私たち」の概念が広く、だから協力するっていうシンプルな感じで動いている人が多い気がする。

 

時代によって、「私たち」の概念が違って、ずっと昔だと集落単位、それがやがて国単位となり、ミレニアル世代より上の人は、「私たち」が広くても国単位である人が圧倒的な印象、本日の講師の方も然り。けれども、今から協力隊に挑もうとする世代は、世界全体を「私たち」と捉え、国という概念が薄い気がする。これによって物事の捉え方が大きく異なると思う。「~だから日本はすごいんです。」と言われても、「(日本の中にもいるけれど)日本以外で困っている人がいる。世界全体で良くならないと、意味がないのでは?」となる。

 

Every generation expands the circle of people we consider “one of us.” For us, it now encompasses the entire world.

どの世代も「私たち」の輪を広げてきました。今、私たちの世代は、世界全体を覆っています。

ザッカーバーグのハーバード卒業スピーチより

 

もしかしたら、今後国際協力を考える上で、この時代のギャップは大きな問題になるかもしれないと感じた。根本的に捉えている概念の違いを感じた一日。ただ、自分たちの世代あたりから、「私たち」の概念が「世界全体」に広がりつつあることは、とても嬉しいし、面白い。

 

こういった概念は、リアルで身近な戦争がなければこその捉え方であると思う。戦争が生じれば、嫌でも「国」を意識してしまうのだろう。世界ではまだ戦争があるし、日本の戦争の風化はマイナスに捉えられがちだけど、「私たち」の概念を広げることにおいては、戦争の感覚が薄いことがプラスに働いている気がする。世界全体が「私たち」、この概念が世界中に広まれば、より平和で、より共同が生じ、より面白い世界になると思う。かつ、そのような状況に、自分が生きている間になるかもしれず、そのような流れをつくる動きに参加したいと感じた一日。

 

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