生物学の名著3選+α

2017年5月5日、ビル・ゲイツがtwitterにて、大学生へのアドバイスとして「今ならAI、エネルギー、バイオサイエンスが今後大きなインパクトを与えるから、おススメ」といった内容を投稿しました。


私は学部卒ですが、生物工学を大学時に専攻し、DNAを切ったり、組み替えたりする技術を目の当たりにし、今後への可能性を大いに感じています。


ここでは、生物学の名著といっても過言ではない3冊、および+αで1冊の本をご紹介します。

種の起源

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<概略>

進化学はすべての生物学の根幹をなしている。そしてそのすべてのルーツは「種の起源」初版にあるのだ。


端緒を開いたダーウィンの偉業、それは進化の研究を科学したことと、進化が起こるメカニズムとして自然淘汰説を提唱したことにある。(※光文社古典新訳文庫・訳者より)

<個人コメント>

誰もが聞いたことはあるであろう、生物学、進化論の名著。特段生物を専攻していなくても全然読めます。自然淘汰の発生過程や、生物が共通の祖先をもち、少しずつ変化をした上で、現在の多種多様な生命が溢れている点が記載されています。

利己的な遺伝子

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<概略>

「なぜ世の中から争いがなくならないのか」「なぜ男は浮気をするのか」―本書は、動物や人間社会でみられる親子の対立と保護、雌雄の争い、攻撃やなわばり行動などが、なぜ進化したかを説き明かす。


この謎解きに当り、著者は、視点を個体から遺伝子に移し、自らのコピーを増やそうとする遺伝子の利己性から快刀乱麻、明快な解答を与える。(※紀伊国屋書店より)

<個人コメント>

進化論に興味がある人なら必読の本です。著者はこの本以外にも、進化論に関する本を何冊もだしており、生物を専攻している人は大抵知っている方です。


大学時代に教授とこの本の話をしたら、「でもそれって当然のことだよねー。」と、のほほんとした様子で驚いた記憶があります。


おそらく、テクノロジーを率先している科学者や企業のトップは、当たり前のように「自然淘汰」や「利己的な遺伝子」の考えに基づいて、行動しているのだろうと最近感じます。

生命とは何か

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<概略>

量子力学を創造し、原子物理学の基礎をつくった著者が追究した生命の本質―分子生物学の生みの親となった20世紀の名著。(※岩波文庫より)

<個人コメント>

前2つの本に比べると、若干専門性が増します。大学で理系だった方は、量子力学ででてきた「シュレディンガー方程式」の方です。あと、シュレディンガーの猫の方でもあります。


生命とは何か?明確な定義はいつまでたってもできないのだろうけれど、教科書的には「膜がある」×「代謝する」×「複製する」の3点が必要とされることが多いですが、この本は「代謝する」に焦点があてられています。

寄生獣

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<概略>

大都市で多発する、「ミンチ殺人事件」。残虐な手口に人々が戦く中、高校生の泉新一だけが”犯人”を知っていた。それは人間の脳に寄生し、変幻自在に顔を変えて社会に溶け込んでいる新生物。


真実を明からにすべきか悩む新一。だが彼もまた右手に寄生生物を宿していた。(※講談社文庫より)

<個人コメント>

はい、漫画です。でも非常に考えることが多い本であり、生物に興味をもった時の入り口として、おススメな一冊です。ちょっとグロい描写もあるので、そういったものが苦手な人は避けてください。


この本は、人類に寄生した新生物による、他種からみた人類が描かれています。また、時に精神論的なことを主張する主人公の人間と、精神論によらない考えをもつ、相棒の寄生体との会話は、生物、人間を考える上で大いに参考になります。


日経新聞の、私の本棚で紹介される書籍は、文系チックな古典か小説、ビジネス書がほとんどな印象。対して、欧米のtech系のトップや、日本のベンチャーを率先する人は、サイエンス関連の本をよくおススメとして挙げており、理系チックな考え方、サイエンスの教養は今後ますます必要だと思います。

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