マラウイに来て1年
去年の10/4、青年海外協力隊としてマラウイに降り立ちはや1年。国によってなかったり、形式が異なるようですが、折り返し地点と言うことで中間報告が行われました。派遣国がマラウイの場合、首都に同期が集合し、JICAのスタッフ(ナショナルスタッフ含む)や配属先に対し、英語か現地語で15分間のプレゼンを実施します。
ここでは発表した内容というか、この1年のざっくりした振り返りを記載します。
主な活動内容
手製の脱穀機
→素手での作業に比べ、倍以上の速さでむける道具の発明
→農村部の100名以上にこの道具を届ける
ブリケット
→8つの農村グループに紹介し、2つが現状継続して製作を実施中
→同僚が作り方を覚え、農村部で紹介できるようになる
農業支援
→農業のお手伝いやモニタリング
大まかな流れ
以下詳細
現状調査
11月に任地に赴任し、右も左もわからない状況。最初の半年ほどは、とりあえずカウンターパートなど、同僚にくっついてまわったり、1人で色んな所を見て回りました。村で組成されているグループによる、貯金活動の取り組みや、栄養などに関するワークショップの補助に努めていました。
手製の脱穀機
簡易脱穀機の作り方など、以前にも何度か投稿した、メイズを脱穀する道具を発明しました。
収穫時期には1000、2000、農家によってはそれ以上のメイズが手に入ります。ただ、その実をとる作業は素手でひとつひとつ行います。ローカルでも手に入る材料を用いて、製作費は5円以下といったこちらの道具を用いて、作業効率が倍以上となりました。
反応はすごく良いのですが、1年目はこの形に落ち着くまでに1カ月ほどかかった&収穫時期(5-7月)以外需要がほぼ無いといったこともあり、100名ちょっとへの普及にとどまりました。また、使い方をちゃんと説明しないと壊れるとったことも生じ、来シーズンは改良もしながら、早い段階で普及に取り組む予定です。また、1年目は叶いませんでしたが、農民に届けるだけでなく、農民自身でつくり、収入向上に繋げられたらとも考えています。
ありがたいことにこのブログなどを読み、他の国の隊員からも導入したいといったお声がけを頂きました。こんな感じ(その名はマチョメ)でブログにも紹介して下さりました。いろんな方と意見交換しながら、道具自体の改良や普及方法を良くしていけたらと思います。
ブリケット
ブリケットづくりといった記事でも紹介してきました、メイズなどの農作物の可食部分以外を燃料とする技術。マラウイでは他の隊員も数名取り組んでおり、私も取り組みました。
「木を切らなくてすむ(環境面)」「燃料費の支出減&ブリケット自体を売ることによる収入増(経済面)」「木炭より有害な煙が出にくい(健康面)」といった3点お得な技術。1年目は農村部の8つのグループに紹介し、現状2つのグループが製作を定期的に続けています。
ただ、1度の工程でできる質・量ともにブレが大きく、従来使われている木や木炭が低価格といった点もあり、大きな収入増は小規模グループではなかなか難しそうだという現状でもあります。
農業支援
マラウイにおいて、地方では水源がない要因も大きいですが、種や肥料の初期費用がまかなえず、多くの土地が余っています。一方、首都圏においては、人口の増加も伴い、野菜の需要が伸び、大型のスーパーでもたくさん野菜を仕入れたい状況。
任地のンチュウは比較的高地であり、野菜がたくさんとれる場所です。ということで、コミュニティ開発局に配属されていますが、農業省的な部署の人とも協働し、農家さんのお手伝い(文字通り農作業を手伝う&技術指導)を続けています。
直近では4000kgの玉ねぎを目標に、収穫真っただ中のグループに定期的に訪れたりしています。
2年目は
これからの時期、雨季の前やその間はほとんどの人が農作業で忙しくなります。伴って、前述した「脱穀機」「ブリケット」は適しておらず、農業における自分にできることを模索中の日々です。
また、農村部のみならず、町の中心でも「情報」の蓄積・取得が著しく制限されている環境に問題を感じており、こういった状況の改善に対しても、自身でできることはないか考えています。
ひとまず1年を終え、一緒に降り立った同期(自分を含め10名)が全員、大きな病気等なく無事に過ごせ、中間報告を終えられたことを嬉しく思っています!
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