マラウイにおける取組:COMSIP

派遣中

コミュニティ開発としてマラウイに派遣され首都生活。先輩隊員との会話などから、マラウイではCOMSIPたる、自分が関わることになるであろう取り組みがあり、整理兼ねて記載

 

話を聞いたり、資料等を読んで作成したものであり、おそらく実際の現場では違った現状があると思う。その違いに関しても今後任地に行って、見てみたい

 

COMSIPとは

COMSIP:Community Savings and Investment Promotion

ざっくりというと、村人が少額のお金を定期的に貯金して一つに集め、新規ビジネスの資金としたり、緊急時の融資資金とする、協同組合的な取り組み

 

COMSIPは世界銀行によるMalawi Third Social Action Fundプログラムの一環。主なポイント↓

・政府や国際組織による援助に頼らない、自助活動の仕組み

・運営等も住民が主体的になって決める

・農村部でもできる取り組み

・新規ビジネスや、緊急時の資金源となる

 

目的

COMSIP.ORGより(うまく表示されないかも・・)

 

・貧困地域における、貯金・投資文化の浸透

・持続的な社会・経済発展のために、地元のお金を活用する

・起業文化の浸透、小規模ビジネススキルの成熟

・金融とマーケティングサービスの普及

 

ターゲット

・極度の貧困層(Ultra-Poor)

・起業家精神を持った貧困層(The Entrepreneurial Poor)

・自営の貧困層(The Self Employed Poor)

・生産的な若者(Productive Youths)

 

仕組み

Group → Cluster → Cooperative という3段階の規模がある

 

住民主体が基本であるが、定期的にComshipの管理者(世界銀行の管轄?)や、コミュニティ開発局といわれる、地方の役所が巡回して、取り組みを確認する。(自分はコミュニティ開発局に配属される)

 

Group

COMSIPの最小単位。話を聞いた先輩のところでは、30人前後で成り立っているとのこと。Mandatory savingとVoluntary savingの2種類がある。

 

Mandatory saving

・定期的に一定額、メンバー全員が貯金をする必要がある。個人は自由にここから資金を引き出すことはできない

 

Voluntary saving

・個人が自由に貯金し、引き出すことができる

 

Mandatory saving + Voluntary saving

・各貯金を資金として、ローンが実施される。主な用途はスモールビジネスの初期費用、個人の緊急時(大きな病気などへの費用など)への備えとなる

 

・ローンであり、返済時は利子をつけて返す必要があり、これによって総額は増加

 

・配当のような感じで、少額を個人へ定期的に還元

 

Cluster

・Groupがいくつかまとまった形態。半径6-8km以内程度の徒歩圏内で構成される

 

・Groupよりも大きな資金を扱うために形成される

 

・あらかじめ合意した額(個人が貯金している額の5倍までなど)を超えてのローンは不可

 

・Clusterを形成したら、各GroupからClusterを運営する委員を選出する。この委員は独立しており、Groupの運営には携わらない

 

・Mandatory savingの資金はグループを経由してCluster単位で一括管理。Voluntary savingの資金は即座に応じられるようGroup単位で管理

 

Cooperative

・Clusterの規模で新規ビジネスをする場合、COMSIP Cooperative Unionとして、国に事業者登録をする

 

・貯金的な資金源以外に、Shareという別の資金を確保する仕組みがある(株式に似た仕組み)

→メンバーはShareを購入することができ、事業利益を保有Shareの数に応じて分配

→事業利益の6割は分配へ。残り4割は再投資が基本

→ShareはCOMSIP Cooperative Unionを脱退する時以外、基本的に換金できない

→Shareは個人間での売買はできない

 

資金管理

・Groupにおいては、通常金庫があって、そこで資金が管理される。複数人が別種の鍵をもつ

 

・Cash Bookという、通帳で資金の動きを管理。(貯金額やShare~事業資金の動きまで)

 

・資金が大きくなると、銀行に預ける場合もある

 

・各個人は、自身のMandatory savingやVoluntary saving、ローンを管理する通帳が付与される

 

先輩に聞いた現状

・仕組み自体はしっかりしているが、枠組みを上からポンっと与えられた感じで、うまくまわっていない場合が多い

 

・うまくまわっているところも少なからずある。その場合は大抵中心となるリーダーがいる

 

・資金管理、通帳管理がずさん(そもそも四則演算がちゃんとできる人が少ない)

 

・メンバーや、さらには定期的に視察する人々による資金の盗難もちらほら・・

 

以上、COMSIPに関するまとめ。まだ自分の目で見たわけではないので、この取り組みが実際にどうなっているか、これから見て回るのが楽しみ!

 

マラウイ生活一覧

コメント

  1. 近藤雅敏 より:

    はじめまして。

    関西大学Meet The Globeの近藤雅敏と申します。
    突然のご連絡失礼致します。
    ブログを拝見してご連絡させていただきました。

    私どもは派遣中の海外ボランティア(主に青年海外協力隊として派遣されている方)と日本の小学生・高校生の交流授業をお手伝いをしております。交流を通して隊員様の経験や現地での発見などを日本の子どもたちに教えていただくことで、日本の子どもたちの国際理解を促進していこうと思い、活動しております。

    具体的な現在活動と致しましては、月に2回公立の小学校で国際理解についての授業を行なっております。

    そこで、現在授業内での手紙交流(小学生に手紙をPDFにして送付するので、Wordでのお返事 インターネット上での交流)をしていただける青年海外協力隊の方を探しております。

    もし少しでも興味を持っていただけましたら、一度折り返しご連絡いただけますでしょうか。

    宜しくお願い致します。