「貨幣は人類の寛容性の極み」世界48か国で200万部以上を売り上げ、NHKにおいても特集を組まれた、ベストセラー「サピエンス全史」に記載されていた言葉です。
ここでは、様々な観点から、「お金・経済」を考えるのに役立つ、おススメな書籍を5冊紹介します。
エンデの遺言―根源からお金を問うこと
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<概略>
『モモ』『はてしない物語』などで知られるファンタジー作家ミヒャエル・エンデが日本人への遺言として残した一本のテープ。これをもとに制作されたドキュメンタリー番組(1999年放送/NHK)から生まれたベストセラー書籍。
忘れられた思想家シルビオ・ゲゼルによる「老化するお金」「時とともに減価するお金」など、現代のお金の常識を破る考え方や、欧米に広がる地域通貨の試みの数々をレポートする。(※「BOOK」データベースより)
<個人コメント>
ファンタジー作家として有名な著者による、「お金」への問いかけ。生物において、「お金」は血液として例えられがちですが、本書においても同じように捉えられています。さらに一歩踏み込んで、循環して、老化して、排泄されるように、お金も考えるべきといった主張。
また、「放っておけばどんどん無秩序」とされる、エントロピー増大の法則から逃れるために人類が「お金」をつくりだしたといった意見や、経済を「競争」ではなく「友愛」に基づくとする意見等、お金に対する新しい見方が多く得られます。
金持ち父さん貧乏父さん
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<概略>
本書は…金持ちになるためにはたくさん稼ぐ必要があるという「神話」をくつがえす。持ち家が資産だという「信仰」を揺るがす。資産と負債の違いをはっきりさせる。
お金について教えるのに、学校教育があてにできないことを親にわからせる。そして、お金について子供たちに何を教えたらいいかを教えてくれる。(※「BOOK」データベースより)
<個人コメント>
全世界で1000万部、日本国内でも100万部を突破した大ベストセラー。「お金・経済」の在り方を問うといった本ではありません。「投資」や「金融リテラシー」の重要性を説く、どちらかというと「自己啓発」に近い書籍です。
お金に関する本はどこか難しそうなイメージがあるかもしれませんが、この本では「金持ち父さん」と「貧乏父さん」を対比させる、小説に近い内容となっており、読みやすさが抜群です。
贈与論
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<概略>
贈与や交換は、社会の中でどのような意味を担っているのか?モース(1872‐1950)は、ポリネシア、メラネシア、北米から古代のローマ、ヒンドゥー世界等、古今東西の贈与体系を比較し、すべてを贈与し蕩尽する「ポトラッチ」など、その全体的社会的性格に迫る。(※「BOOK」データベースより)
<個人コメント>
「贈与」という観点から、人々の交流・交易に関して記載されています。「お金」や「経済」とは?といった本ではないですが、「お金」の本質の一つは「交流を促すこと」だと思います。そして、その起源は「贈与」にあるのだろうと感じる一冊です。
ファンドレイジングが社会を変える
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<概略>
「資金集めの手段」ではなく「社会を変えていく手段」として7つの原則、7つのステップ、15の技で組織を改善・強化せよ。成功のための指南書待望の改訂版!!寄付する側、受け取る側、ともに役立つ具体的アドバイスが満載!(※「BOOK」データベースより)
<個人コメント>
日本の寄付に関する第一人者とも言われ、非営利組織の資金調達(ファンドレイジング)といった「善意の資金」の促進に取り組まれている方による本です。
市場経済や、お金とは?といった内容ではありません。主に「寄付」に焦点をあてて、非営利組織の今後のさらなる発展のために、寄付といった「善意の資金」が巡る重要性を説いています。ユニークな「寄付」であったり、寄付の促進を通じたより良い社会の道筋が描かれています。
評価と贈与の経済学
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<概略>
脱競争こそ脱貧困である。お金に頼らず生きる手引き。経済活動の本質にせまる、目からウロコの異色対談!(※「BOOK」データベースより)
<個人コメント>
著名な哲学者と、自称オタクキングを掲げる方の対談です。こう書くと、なんだか少し怪しそうな感じがしますが、とても真面目で学ぶことが多い本です。
題名通り、「評価」と「贈与」に注目して、「経済」を考えます。前述した「贈与論」にもでてくる、「クラ交易」といった、贈与経済に関しても述べられています。
細胞分裂の暴走による癌と同様、今までの世の中は盲目的にお金を「増やす」ことに注力しすぎている気がします。
今回取り上げた本の多くは「寄付」や「贈与」に焦点を当てている本が多いです。こういった取り組みを通じて、今後は資金の不均衡を是正する動きがより一層大切になるとかんじています。
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