こないだの春までの約8カ月、インターンをさせて頂いていた、日本ファンドレイジング協会主催の『ファンドレイジング・サロン「コレクティブ・インパクトがもたらす新たな価値~世界の潮流と動き出している日本の現状~」』に行ってきました。
Collective Impact Conference (2017/5/23-25) というカンファレンスにおいて、世界中のNPOや行政、企業の方々が、400名ほどアメリカに集まったとのこと。
日本からもソーシャルセクターの先頭を走る方々が15名ほど参加し、本日のサロンはうち4名による報告会のような感じでした。
コレクティブ・インパクトとは?
社会課題(緊急度・重要度が高い)の解決のため、行政・企業・NPO等が共同して解決に取り組むこと。
2011年にCollective Impact | Stanford Social Innovation Reviewにおいて、始めてCollective Impactという言葉が提唱されたようです。
コレクティブ・インパクト達成のためには
1)共通のアジェンダ 2)共通の評価システム 3)活動をお互いに補強しあう 4)継続的なコミュニケーション 5)活動を支えるバックボーン組織の存在 が必要。
日本での事例としては、子供の貧困の連鎖解決のための以下の取り組みがある。
↑ 一つの課題(例えばDVのみ)の解決だけでなく、根本的な課題(子供の貧困)の解決に、複合的なアプローチで挑む。
その他ポイント
・Collective Impactにおいては、5年以上ぐらいのスパンが必要。
・アメリカのカンファレンス参加者は、10年以上同じプロジェクトに携わったことがある人が1-2割ほどいた、日本だとイメージできない。
・イギリスがこういった分野で取り組みが先行しているのは、行政が昔からデータをとっていた。日本だと、教育への投資効果等の元となるデータがない(少ない)。
・活動のバックボーンとなる役割は行政が理想。ただ、これは欧米の話。日本の行政だと、良くも悪くも目標の達成に比重がおかれ、失敗の可能性のあるチャレンジングな取り組みがしにくい。かつ、所属も移りやすいので、それも悩ましい。
・↑に対し、SIB(Social Impact Bond)は行政から民間へのリスク転移ができるので、日本に適している。
・欧米はやっぱり財団が豊富で、かつ中間支援組織的な役割も果たしている。日本だとコミュニティ財団が今後そういった役割を担っていってほしい。
感想
NPO、ソーシャルセクターに魅力を感じる点として、「枠を超える」感じがバンバンするところ。自団体だけでなんとかしようとせず、協働、巻き込みをする。それはきっとよく言われるように1+1=2にはならない世界。Collective Impactには企業も参加することがあるとのことでワクワクしました!
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